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学生のメンタルヘルス講演会

 学生のメンタルヘルス講演会を保健管理センターと高等教育開発センターの共催で開催した。

[講演会の概要]

  日時:平成26年12月5日(金)15:00~16:30
  場所:教養教育棟35号教室(旦野原キャンパス)
     病院第1会議室(挾間キャンパス:遠隔配信)

 テーマ:多様な個性の認め方 ~発達障害の理解と関わり~
  講師:高橋正泰(発達障害支援研究所「たまや」所長)

 参加者:本学の教職員と学生47名

メンタルヘルス講演会1
工藤先生の開会あいさつ

メンタルヘルス講演会2
会場の様子

メンタルヘルス講演会3
堤先生からの講師紹介

メンタルヘルス講演会4
講演中の高橋先生

[報告]

 工藤先生(保健管理センター)より、講師の髙橋先生にお話をしてもらいたかった旨、挨拶があり、続いて、司会の堤先生(保健管理センター)から講師の紹介があった。

講演の主題は「発達障害」
言葉が先行しているが、よく知られていない、専門医が少ない。広汎性発達障害という訳の分からない診断が下されることがある。「たまや」では、児童、成人に居場所の提供し、働く練習をさせている。現在の特別支援教育は甘やかしすぎである。困ったら誰かが助けてくれると思っている。

発達障害の定義
言葉が悪い。障害、ひらがなに置き換えてもかわらない。個性でもないし障害でもない。 社会の価値観が変われば障害も変わるので、定義も変わる。障害特性と障害がある状況との区別が必要である。適切な支援があれば障害のある状況は無くすことができる。

発達障害の特性
生まれつきのものであると言われているが、躾の問題も関係している。 自閉症の診断は、かつて冷たい親に育てられたから自閉症になったと言われていたが、そうではなかった。ただ、外で話を聞かない子どもは家ではもっと聞かない。

特別支援教育
方向性で大切なことは共感的に理解することが大切と描かれているが、発達障害はそれが(共感的理解)が一番難しい。例えば視覚障害は目を閉じることで理解できるが、自閉症の子どもは、行動を真似してもわからない。共感的理解は難しい。 追体験が難しい以上、想像力が最も大切である。 イメージを駆使して読み取るためには知識が必要である

発達障害の原因は分かっていない。
大学で一番多いのはアスペルガーとADHD アスペルガーはこだわりが強い。アスペルガーが一番残っているのは大学ではないか。 障害特性があることは問題では無い。苦手なことを持っているにすぎない。 苦手なことがあることによって失敗経験が増えて、不適応リスクが増える。失敗しやすくなって、周囲から困られ社会から外れていく負の循環がある。

適応のモデル
自己評価が一番大事。 積極性が出る、適応ができる、経験を積みながらステージが上がっていく。 「してはいけない」という指示は「しなさい」と同じことである。伝え方の工夫が必要。 禁止の指示はダメ。例えば、「走るな」ではなく「ゆっくり歩け」。 大学生で多いのはルール違反が許せないことが多い(自分のことはさしおいて)。 鏡文字を書いてしまう子どもが苦手な漢字を使わないところを選び医学部に入った。 社会人で頑張りすぎが多い。 急げと言われることが苦手。既に叱られていると思ってしまう。急げと言われても、間に合ってオッケーと褒められる経験を積むとよくなる。 支援と言うが人を変えることはできないので、受け取る側の自分自身が変わること。それが支援であるとのまとめであった。

質疑応答
内科的には早期発見早期治療が重要だが、支援ではどうか。 支援という感覚は、少しでも良くなるのが支援。声をかけてあげるのは早いほうが良い。 ピグマリオン効果について、褒めて伸ばすコツというのはあるか。 褒めるのは私も得意では無いが、指示して認めてあげるのが基本。評価をしてあげる。 こつは繰り返しやっていくしか無い。否定的な言い方が肯定的になるのに3年くらいかかった。

最後は拍手で終了した。

(文責)牧野 治敏

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