きっちょむフォーラム2009(学内合同研修会)
[期日]2009年11月25日(水)
[場所]旦野原キャンパス教養教育棟32号教室
挟間キャンパス看護学科211号教室(遠隔授業システムによる授業配信)
開会の挨拶
開会にあたって、大嶋教育担当理事より挨拶があり、本研修会が全学の教育改革に寄与していること、また全国的にも珍しい取り組みであり、参加者の活発な議論を期待しているとの挨拶があった。
第1部「学生教職員教育改革シンポジウム」
学生からの発表に先立って市原教授(経済学部)により、きっちょむフォーラムの経緯について説明があった。平成17年度に始まったきっちょむフォーラムでの検討事項と、それをきっかけとした本学での教育改革の事例について、各年度の実施内容が説明された。また、近年本シンポジウムで実施されている学生からの報告が行われるに到った経緯についても報告された。
報告者の論題、および当日収録のビデオ(オ ンデマンド)、資料は以下の通りである。(ビデオ、資料は学内からのみアクセスできます)
報告演題・報告者 | ビデオ・資料 | |
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学内合同研修会「きっちょむフォーラム」これまでの学生発表と具体的な改善内容 | 市原宏一 (経済学部) |
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1)こんな授業はNO! 大分大学版授業NGビデオの制作 | 矢野恭子、矢野眞美 (経済学部) |
発表資料 |
2)留学生と日本人学生のディベート授業 | 田中啓太、平野成仁(経済学部)、 木立直喜、永島充(工学部) |
発表資料 |
3)大学改善における“大分地域学生ネットワーク”の交流活動 | 大塚俊栄、平松 郁、 小松道弘、椎葉高史(工学部) |
発表資料 |
4)課外活動の単位化 | 藪田真哉(工学部)、 大里祥平、永富絹代(経済学部) |
発表資料 |
質疑応答 | - |
発表1では、ビデオによる授業改善のためのティップス集が報告された。山形大学で作成された授業改善ビデオを参考に、本学の授業を素材として作成したもので、教室の冷房を効かせすぎて授業に実が入らない状況を示した「極寒の教室」や、学生の挙動を全く意に介せず授業を進行する例など、学生が改善して欲しいと思ういくつかの授業場面をコンパクトにまとめたビデオが紹介された。
発表2は、留学生と日本人によるディベートの授業の提案であった。ディベートという形態で授業を進めることで、学生の自主的な学習ができること、国の違いという多様な価値観を知る機会であること、日本人学生と留学生との交流の場になることなどが期待できるとの発表であった。
発表3では、インターネットのネットワークを利用して、大分大学が中心となり大分県下の他大学との交流の場を設定しようとする計画の発表であった。このネットワークの運営によって、課外活動等を中心とした他大学との交流が活発に行えるとの提案がなされた。
発表4では、課外活動の単位化についての提案であった。本学学生の課外活動やボランティア活動への取り組みの実態や、他大学での単位化の事例を踏まえて、本学で課外活動の単位化を実施する場合の基準について、ボランティア活動単位化の認定基準や、学部の学習内容に適合するアルバイトを単位化する認定基準についての提案があった。
4件の報告の後、全体での討議となった。
ディベートの授業については、ディベートを取り入れるだけで授業が改善されるわけではなく、授業形態は授業内容を反映するものなので、授業のねらいを明確にする必要があるのではないかとの意見があった。学生ネットワークについては、交流の場とは具体的には何か、ネットワークの目的は教育改善なのか生活改善なのか、等の質疑応答があった。課外活動の単位化については、どのような授業に対応して単位化しているのか、本学で課外活動を単位化するにふさわしい学部があるかどうかに関して意見が交換がされた。
周到な準備により報告した学生諸君、ご指導下さった先生方、ご参加いただいた皆様には、お礼を申し上げます。ありがとうございました。
第2部「教育課題・教育実践検討会」
検討会では、平成21年度に採択された「大学教育改革支援プログラム(GP)」として、本学が取り組む環境教育ついて、羽野学長による講演と市原教授による実践事例についての報告をいただいた。その後、フロアを交えての質疑応答を行った。報告の論題、および当日収録のビデオ(オンデマンド)、資料は以下の通りである。 (ビデオ、資料は学内からのみアクセスできます)
報告演題・報告者 | 報告者 | 資料 | |
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1 | 大学における環境教育の課題 | 羽野 忠 (学長) | |
2 | 水辺の地域体験活動による初年次教育の展開 ―学生の社会性向上を図る総合的教養教育の実践― |
市原 宏一 教授 (経済学部) |
報告1
羽野学長による講演では、大学教育における環境教育について、現代的な社会ニーズとして環境に対する知識や技術・態度が必要とされていること。環境教育は学際領域、総合科学としての学問的特殊性から、意義がある。また、それらを人材育成の観点からとらえると、大学での教養、修士課程、専門性、内容が広範囲に、かつ多様な分野に及ぶことについての言及があった。それらを踏まえた上で、大分大学では教養教育において新たな取り組みを開始し、水をキーワードとして多様な観点から環境問題を学び体験する教養教育授業科目を開設したこと。また、それらの具体的な成果の一つとして、地域、他大学との連携による「太平洋水サミット」が開催されたこととその概要についての紹介があった。また、本学の今後の取り組みとして、教育による地域貢献という新しいスタイルが提案された。
報告2
市原教授による報告では、羽野学長の報告を受けた具体的な取り組みとして、「環境教育推進ワーキンググループ実践報告」が紹介された。この取り組みは、1)地域社会と結びついた体験活動、2)全学出動方式による総合的な教養教育、3)学生集団を形成することで学生相互の学習支援をはかることにより、学生の学習を推進するとともに社会性を向上させることを目的としたもので、その学内、学外の背景と組織について説明があった。成果として、地域貢献の高まりにより、「おおいた水フォーラム」が設立されたこと、教養教育科目として「大分の水I」「大分の水II」「大野川II」「里海、里山」を実施したこと。学生の自主学習を促す成果では、他大学との連携による「学生水フォーラム」SA(学生アシスタント)による学習支援が報告された。また、本プログラムの平成23年までのスケジュールと、今後の改善計画についても報告された。
2件の報告の後、質疑応答がおこなわれ、全スケジュールを終了した。お忙しい中、講演をいただいた先生方、参加いただいた皆様にはお礼を申し上げます。ありがとうございました。
(文責)牧野 治敏
(編集)尾澤 重知