きっちょむフォーラム2006(学内合同研修会)の報告
期日 平成18年11月29日(水曜日)
場所 旦野原キャンパス教養教育 32号教室
挾間キャンパス看護学科 211号教室
参加人数(速報値)
第一部 教員 59(4)
第二部 教員 65(6)、学生32(4) ( )内は挾間キャンパスの参加者数で内数
第1部 教育課題・教育実践検討会
第一部の検討会は、高等教育開発センター長 大岩幸太郎先生の挨拶で、午後1時からはじまりました。そして、当センター教育方法開発部門長 市原宏一先生の司会で、3人の先生方の実践報告が行われました。
まず初めに、工学部教員、井上正文先生(写真1)から「工学部教員の人文科目への取組」 との演題で、教養教育として展開している授業の実勢例が豊富なスライドとともに紹介されました。学生のために毎週準備する多くの配布資料や、学生の実地調査とその報告など、具体的な授業場面をもとに、学生をやる気にさせる工夫の数々が報告されました。
数々の工夫とその実践もさることながら、「授業は対話に始まり対話に終わる」という、学生と教員との信頼関係に基づいて授業することが何よりも大切であると感じさせられた報告でした。
次に、教育福祉科学部教員、当センターコミュニケーション開発部門研究員の山下茂先生(写真2)から、「WebCTを用いた授業実践」について報告がありました。
LMS(ラーニング・マネジメント・システム)としてWebCTを活用した授業の展開について、その概要から具体例まで図解による詳しい説明がなされました。WebCTについては、本学情報処理センターでの提供が本年度限りであるため、具体的な操作方法の説明は省略されましたが、LMSを使うことで、授業のどこが効率化できるのか、学生とのコミュニケーションを図るためにどのような使い方があるのか等のLMSの本質に関わる説明が行われ、来年度以降のLMS利用につながる報告でした。
教員からの最後の報告として、当センター次長の牧野治敏先生から、「教育支援システムの活用について」報告がありました(写真3)。本報告は、遠隔授業システムを用い、挾間キャンパスから、旦野原キャンパスへ遠隔中継されたものです。
ここでは、平成17年度高等教育開発センターに導入された教育支援システムの全貌と、その一つである「講義記録支援システム」について、教養教育における授業実践が報告されました。
電子ホワイトボードの利用により、パソコンのプレゼンテーションに教員の動きが連動することで授業のパフォーマンスが向上する、授業が記録されることで、教授能力の向上にもつながるとの報告がありました。
いずれの報告についても、フロアからの質問により、議論が深まり、効果的な授業への取り組みのきっかけとなる検討会となり、その後、第二部に向けての休憩となりました。
第2部 学生教職員教育改善シンポジウム
第二部の「学生教職員教育改善シンポジウム」は午後3時から、第一部に引き続き市原先生の司会で始まりました。
最初に羽野忠学長(写真4)から挨拶がありました。その挨拶の中で、よりよい授業を提供することは大分大学としても真剣に取り組まなければならない課題であり、本企画のように学生と教員が一堂に会する授業をよくするためのシンポジウムは、まさに時を得た企画であるとのお話がありました。
学生教職員共同教育改善シンポジウムは、旦野原キャンパス3学部の学生と2名の教員がシンポジストとして台上に上がり、学生からのテーマ説明で始まりました(写真5、6)。
今回のテーマは大きく3つで、「シラバスの改善」、「学生の受講態度」、「授業として希望するテーマ」に関する話題が取り上げられました。これらのテーマについて、事前の学生によるアンケート調査の結果を基に学生からの報告があり、その後、教員を交えての討論となりました(写真7)。
シラバスについては改善の跡はあるが、さらに改善を望む声があり、その一つ「インデックスの追加」については、この会場で合意に達しました。授業態度については、学生ばかりでなく教員にも問題があり、改善のためには双方の努力が必要であることが確認されました。新しい授業科目についてはアンケート結果からの報告がありました。
終盤、嘉目理事(教育担当)から挨拶があり、授業改善に向けてこれからも活発な議論をお願いするとのお話がありました。
討論では、授業改善に向けて各教員が実践している具体的な方策が紹介されました。遅刻や授業の途中で出入りする学生をどう指導すればよいのか、授業中の私語をどうやってやめさせるか等について、学生、教員双方から多くの発言がありました。その中でも印象的だった意見は、 私語をする学生に問題があるものの、教員にも教室の秩序を保たなけれ ばならない義務があるというものでした。さらに、このような授業改善のためのシンポジウムに出てこない教員や学生をどうするのか、といっ たこの企画そのものへの提言もあり、活発な議論が交わされましたが 、まだまだ、これからというときに閉会の時間となり、幕を閉じました。