平成19年度 後期「授業公開FDワークショップ」概要報告
高等教育開発センターでは平成19年度後学期の授業公開FDワークショップを下記の要領で実施しました。今回は、医学部の長谷川英男先生と教育福祉科学部の寺田守先生から授業公開をしていただきました。年末の忙しい時期にもかかわらず授業公開に応じて下さった先生方、参加いただいた先生方に、お礼申し上げます。
1.公開授業
公開授業その1
○公開科目:「パラサイトから見た生命」
○日時:2007年12月12日水曜2限(午前10時40分-午後12時10分)
○授業担当者:長谷川 英男(医学部)
○場所:11号教室(教養教育棟1階)
授業は号令による「起立」「礼」「着席」から始まりました。授業の内容はパラサイト(寄生虫、寄生体)をキーワードとして、生命の本質に迫るものです。本時は「寄生と性の複雑な関係~性を操るパラサイトたち~」をテーマに、寄生によって性が変わる生き物について考えました。
授業の冒頭は、前回の授業のフィードバックでした。前回の授業への学生のコメントをもとに授業の要点を振り返りました。その後の授業は豊富な図や写真、実際の生き物の標本を使った分かりやすい説明と学生への質問とで進められました。また、性転換の仕組みについても順を追った理解しやすい説明で、先生の工夫が感じられるものでした。 フィードバックとライティングに時間を割きながらも、内容が豊富であると感じられた授業でした。
公開授業その2
○公開科目:「メディアリテラシー」(教養教育科目)
○日時:2007年12月12日(水)3限(午後12時40分-2時40分)
○授業担当者:寺田 守(教育福祉科学部)
○場所:第1大講義室
第1大講義室での大人数の授業でした。メディアを読み解くというテーマのもと、本時はコーラ会社のコマーシャル映像を比較し、そのなかに込められたメッセージを探る内容でした。配付資料には、スクリーンに映し出される映像の説明文と、その映像に関する複数個の問題が記されており、学生が今何をすべきなのかが明確な授業でした。また,その問題についての解答をまとめることでワークシートが完成するように設定されていました。
大教室にもかかわらず、学生を指名し発言を求める場面がありました。また、学生に映像(動画)を提出させ、それを次回以降の授業で使うなど、新しい手法を取り入れていると感じさせる授業でした。
2.授業検討会
意見交換会(その1)
○話題:「パラサイトから見た生命」(教養教育科目)」
○日時:2007年12月18日(火)13限30分-14時30分
○場所:学生センター会議室(学生センター2階)
意見交換会は,最初に長谷川先生から、授業の意図、現在の授業タイトルに到る経緯、授業を進めるにあたっての工夫などの紹介があり,その後、授業参観者から提出されたコメントレポートを読み、フリーの話し合いになりました。
実物を使っての説明や、授業中に学生の発言を求め集中を途切れさせないこと、私語対策のために教卓を離れて歩くようにしたこと、率直な意見を引き出すために匿名性に配慮していることなどいろいろな工夫とその効果の紹介がありました。また授業を見せてもらうことは自分の授業改善のために資するところが大きいことなど、多くの意見も交わされました。小人数での実施でしたが、参加者には有意義な授業公開と意見交換会になりました。
意見交換会(その2)
○話題:「メディアリテラシー」(教養教育科目)」
○日時:2007年12月18日(火)15限00分-16時00分
○場所:学生センター会議室(学生センター2階)
意見交換会は寺田先生による授業の意図の説明で始まり、映像をクリティカルに読み解くこと、映像の順序やカメラアングルで意味が変わることを作り手の立場に立って考えさせること等の説明がありました。その後、授業参観者から提出されたコメントレポートを参考にしながら、フリーの話し合いになりました。
授業方法に関しては、パワーポイントと黒板との使い分け、配付資料の分量や程度、ワークシートの使い方等が話題となりました。内容に関しては、教員としては議論をしたいのだがそこまでには至っていないこと、自分が受けてきた授業に影響されること、学生への興味の持たせ方、出席をとることの是非、授業内容のレベル設定、話題の賞味期限等について活発な議論が交わされ、参加者にとって自分の授業を振り返る良い機会となりました。
[参考]案内ページ