授業公開・授業検討会FDワークショップ 2009
高等教育開発センターでは、平成21年12月14日(火)から18日(金)の日程で「授業公開・授業検討会FDワークショップを実施しました。
これは、授業参観と授業検討会を通じて、各教員の日常的な取り組みを交換し、教授法・教材の改善を進めると同時に、教育課題と各授業の関連、成績評価のあり方などについても検討を深めることを目的として実施するものです。
1.授業公開
公開された授業は以下の通りです。
日程 | 時限 | 公開科目 | 担当者 |
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14日 (月) |
2限 | 「カラダの見方・考え方」 (教養教育) |
牧野 治敏 (高センター) |
4限 | 「物質の状態の変化」 (教養教育) |
大賀 恭 (工学部) |
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5限 | 「哲学概論I」 (専門科目) |
黒川 勲 (教育福祉科学部) |
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16日 (水) |
2限 | 「くらしの化学」 (教養科目) |
豊田 昌宏 (工学部) |
17日 (木) |
1限 | 「比較地域分析II」 (専門科目) |
城戸 照子 (経済学部) |
2限 | 「マーケティング論II」 (専門科目) |
松隈 久昭 (経済学部) |
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18日 (金) |
4限 | 「医療心理学」 (専門科目) |
溝口 剛 (教育福祉科学部) |
公開された授業は旦野原キャンパスで開講される7授業(教養科目3、専門科目4)です。授業規模は受講生20人程度の専門科目から、100人を超える教養の授業まで、また、授業方法については、パワーポイントによる提示を中心とした授業、配付資料を中心とした授業、遠隔会議システムで高等学校と大学の教室を結んだ授業、日常的なテレビCFや外国の名作映画を教材とした授業など、非常に多様でした。その一方で、いずれの授業においても、ライティング、名前の読み上げ、あるいは出席カードの提出により、出席者の確認が行われていました。
2.授業検討会
授業検討会は、12月18日(金)18時から、学生センター2階の会議室1を会場として行われました。
最初に、司会者から本検討会の主旨説明があり、引き続いて、参加者の自己紹介と各自の授業への取り組み交えた自己紹介が行われました。また、参観のための授業を提供したたものの、都合により検討会に参加できなかった先生からの、授業への取り組みに関するレポートが紹介されました。
当日は以下のような話題について、意見交換がされました。
- 授業規模に応じた適切な資料提示の仕方はどのようなものか。パワーポイントによる提示について、資料を配付する場合とそうでない場合とでは、スライドの作り込みにちがいがあること。配付資料だけの場合には、資料の内容や分量、資料のどこを今扱っているのかの確認。
- 授業へ参加意識を高めさせるための工夫。大人数の授業では工夫が必要である。授業中に課題をさせたり、レポートの回収や返却により参加意識を高める方法、また、授業後のレポート提出を含めての学生とのコミュニケーションの取り方等の工夫が紹介されました。
- 学生による授業アンケートの結果に基づく、全学的な検討会の必要性が指摘。
- 学生同士のディスカッションの必要性。授業中を含めた学生間の意見交換が学習効果を高めるとの指摘がありましたが、一方では、デリケートな意見を拾い上げるためには、ディスカッションよりもライティングが有効との意見もありました。ライティングは教員対学生の1対1という小さなつながりを学生の数だけ作る場合と、学生間の情報の共有という大きなつながりを作る場合など、様々な利用方法が可能であり、授業目的に応じた手法が必要であることを再認識させられました。
- 全学的な課題として、学生による授業アンケートをもとにした検討会の必要性、聴覚障害のある学生への対応方法の共通理解、授業で使用する引用資料の著作権処理方法とその周知が指摘されました。
終了予定の時刻を過ぎても話し合いが続き、終始和やかな雰囲気で意見が交換されました。授業検討会は少人数の話し合いとなってしまいましたが、その分、密な話し合いができました。それぞれの話題は、きめ細かな応答によって進められ、参加者の授業に対する考え方がよく分かるものとなりました。
参加希望にもかかわらず、検討会の日程の都合で参加できなかった先生方には申し訳ありませんでした。年度末のお忙しい中、ご協力いただいた先生方には感謝いたします。ありがとうございました。
[参考]案内ページ
(文責)牧野 治敏
(編集)尾澤 重知